公園で家族連れが休日を過ごしていた。両親と一人息子が仲睦まじくのんびりしていると突然一人の男が襲い掛かってきた。

「このクソ野郎!みんなくたばりやがれ!!」
男は家族に襲い掛かり、公園は騒然となった。親が暴行を受け、子供に危害が及んだその時だった。

「待て!殺人犯め!」
偶然通りかかったサニーは男を抑え込み連行しようとするが、男はやけになっていた。

「俺を殺したきゃ殺せ、俺にはどうせ居場所なんてねえんだ!!生きる価値なんてねえんだよ!!!」
愛憎に満ちた男にサニーは話を聞くことにした。

とある過程で生まれ育った少年。それは男の幼少期の頃だった。一見普通の家庭のようだが、全く普通ではなかった。なぜなら・・・

「てめえの顔なんか見たくもねえ、今すぐ出てけ!!」
「こっちだってあんたがいるだけで迷惑なのよ!!」
毎日夫婦喧嘩が絶えず、互いに暴行しあうのは日常茶飯事で息子に躾けと称して激しく暴行するなどの虐待行為も日常的に行われていた。ある日、男はいつものように暴行被害に遭うが、今までの倍以上に激しく親は殺意に満ちた表情で息子に暴行していた。隙を見て外に逃げ出すと異変に気付いた近隣住人によって保護され、親は児童虐待で逮捕された。

一方保護された男はその後児童養護施設で育つが、今までの経験から誰にも心を開かず施設を出るまで近寄りがたられていた。それもそのはず生まれて以来夫婦喧嘩と虐待という劣悪な環境しか経験してなかった故に心を開けなかったのである。
人間不信に陥ったまま施設を出た男は仲睦まじい親子や家族に強い憎悪を抱き、憎しみを募らせていった。そんな中男は偶然にも出所した親と再会したのである。

「躾けのつもりが逆に苦しめてしまって本当に悪いことした。」
親はそう言うが、もちろん男はそんなことを許すわけもなく怒りを爆発させた。

「何が悪いことしただ!?てめえらのとこで産まれなければ俺は全うな人生送れたんだぞ!!!」
男は二人を激しく暴行するとどこからか持ち出した刃物でめった刺しにし、とどめにマシンガンで撃ち続けた。幼少期にされてきたことを今度は自らが行ったのだ。二人が息絶えても気の済まない男はマッチで遺体に火をつけ逃走した。白昼の凶悪事件に周囲は騒然となり、サニーは直ちに捜査に乗り出した。目撃者から聞いた犯人の特徴をヒントに捜査を続け、偶々公園を通りかかったときに家族連れに襲い掛かってるところを見つけ逮捕したのだった。

暴行被害にあった両親は男を逮捕せずにどこか環境のいい場所が居場所にできないかと祈願した。しかしサニーは犯人が殺人を犯してる以上野放しにはできないと警察署に連行した。男は完全に絶望しきり、もはや諦めモードに陥っていた。

「殺したきゃさっさと殺しやがれ!」

自分を殺すよう要求するが、サニーはあることを考えていた。
サニーは署長に男の過去を明かしたうえであることを要求した。

「この容疑者を罰するのではなく人のぬくもりに触れさせることで社会復帰できないでしょうか?」
しかし署長は殺人犯を罰しないなど言語道断とサニーの提案を拒否。

「しかしそうでもしないといずれ容疑者は完全に壊れてしまいます。どうか完全に理性が壊れる前に・・・」
サニーの提案が署長に受け入れられない男は彼女の言葉を遮ると憎悪に満ちた表情を浮かべた。

「どうせ俺は世間に居場所なんてねえ。だったら殺してくれたほうが楽だ。そう、てめえらを道連れにな!!!」
男の狂気に満ちた表情と言葉に慄いた署長はサニーの提案を受け入れることにした。

後日男は署長立会いのもとサニーとともに奉仕活動を始めた。彼が心を開き、社会復帰できることを願いながら・・・

終わり

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